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アンケートの選択肢の作り方|単一・複数回答と「その他」「わからない」の使い分け

アンケートの選択肢を、単一・複数回答と上限付き選択の違いから設計。「その他」「わからない」の扱い、並び方、複数回答の集計、実在の対象者による事前確認を架空例で解説します。

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アンケートの選択肢は、最初に「一番の理由を知りたいのか」「経験したことをすべて知りたいのか」を決めてから作ります。同じ候補を並べても、「一つだけ」「すべて」「三つまで」では、集計した数値の意味が変わるためです。

そのうえで、答えの抜けや重なり、答えられない人の扱い、選択肢の順序を点検します。総務省統計局の教材は、単一選択の基本を、回答の可能性をカバーしつつ一つに選べるようにすることと説明しています。[1]

この記事では、回答形式の選び方から集計時の注意までを、一つの例で整理します。以下の設問、回答、人数は、すべて編集部が説明のために作った架空例です。実調査やPersona AIの生成結果ではありません。

単一回答・複数回答・上位選択は、知りたいことから決める

架空の業務サービスで、利用を見送った理由を調べるとします。候補として「費用が合わない」「必要な連携がない」「設定する時間がない」などが挙がりました。

単一回答にする場合:
「今回、利用を見送った理由のうち、最も大きかったものを一つ選んでください」
→ 知りたいのは、各回答者が最も重視した理由です。

複数回答にする場合:
「今回、利用を見送った理由として、当てはまるものをすべて選んでください」
→ 複数の事情が重なっていたかを含めて確認します。

上位三つに絞る場合:
「今回、利用を見送った理由として、特に大きかったものを三つまで選んでください」
→ 四つ以上の理由がある人にも、重要なものを絞ってもらいます。「当てはまる理由のすべて」を数えた結果にはなりません。

「三つまで」を選ぶのは、画面をすっきりさせるためだけでは不十分です。優先度を知る必要があるかを先に確認しましょう。また、三つを選んでもらうだけでは、その三つの間の順位は分かりません。

どの形式でも、まだ検討中の人や、本人が判断に関わっていない人へ、見送った理由を無理に答えさせないようにします。調査対象や分岐の設計は、選択肢を作る前に確認します。

一つだけ選ぶ設問は、境目を具体的に点検する

単一回答では、回答者が二つの選択肢の間で迷わないかを確かめます。総務省統計局は、選択肢の網羅性と相互排他性を基本原則として挙げています。[1]

例えば、月額費用を聞く次の選択肢には問題があります。

修正前:「5,000円以下/5,000~10,000円/10,000円以上」

5,000円と10,000円が、それぞれ二つの区分に入ります。また、本人が金額を知らない場合の回答先もありません。

修正例:「0円/1円以上5,000円未満/5,000円以上10,000円未満/10,000円以上/金額がわからない」

これは区切り方の例です。実際には税込・税抜、月額か年額か、個人負担か会社全体かを質問文で決めます。必要な分析に合わなければ、金額を数値で入力してもらう方法も検討できます。

文章の選択肢にも、重なりがあります。「操作が難しい」と「設定方法がわからない」を並べたとき、同じ場面を指すのか、別の困りごとを区別したいのか。回答者の経験を聞き、分類する目的に合わせて定義を直します。

「その他」「該当なし」「わからない」をまとめない

AAPORは、閉じた選択肢に合理的な回答の可能性を含め、必要に応じて「わからない」「該当しない」や中立の回答を用意するよう勧めています。[2] ただし、毎回すべて追加すればよいわけではありません。答えの意味が異なるかで判断します。

  • その他:答えはあるが、提示した候補の中にない
  • どれも当てはまらない:並んでいる項目のどれにも該当しない
  • わからない/覚えていない:判断や記憶に必要な情報がない
  • どちらともいえない:評価尺度上の中立、または一方向に評価しにくい状態
  • 答えたくない:回答するかどうかの本人の意思

設問によっては、「その他」と「どれも当てはまらない」の意味が重なります。見送り理由の設問なら、「その他の理由がある」と「特に理由はない」のように、回答内容が違うことを確認してから置きます。説明用の五項目を、そのまま全設問へ併設しないでください。

例えば、利用経験がない人を「どちらともいえない」に入れると、中立に評価した人と未経験者が混ざります。利用経験の有無で分岐するか、評価対象外として別に記録する方法を考えます。

「その他(具体的に)」は候補の不足を知る手がかりになります。自由記述を付ける場合は、記入を必須にする必要があるかも検討します。「その他」が一定割合を超えたら必ず失敗、といった一律の基準は置かず、記述内容と調査目的から見直します。

複数回答では、「どれも当てはまらない」と具体的な項目を同時に選べないようにするなど、画面の制御も確認します。紙などで制御できない場合は、矛盾した回答の扱いを事前に決めて記録します。

選択肢の数・並び方・尺度は、一律に決めない

「選択肢は必ず五つ」「すべてランダムにする」といった万能のルールはありません。Pew Research Centerは、選択肢の内容と提示順序が回答へ影響すること、大小などの順序に意味がある尺度は通常その順に並べることを説明しています。[3]

例えば満足度の選択肢を、次のように置いたとします。

「満足/やや満足/どちらともいえない/やや不満/不満」

この並びを毎回ばらばらにすると、程度のつながりが読み取りにくくなります。一方、順序に意味のない利用目的や機能の一覧では、提示順の影響を点検し、必要に応じて順序の入れ替えを検討できます。

項目数を決める際は、似た選択肢を無理に増やさず、必要な区別を残します。職種や利用しているサービスなど、実態の種類が多い質問を、見た目の都合だけで五つに押し込むのも避けたいところです。スマートフォンで読めるか、長い項目だけが目立たないかも、実際の回答画面で確かめます。

複数回答の割合は、分母と質問形式を一緒に示す

ここからは集計の架空例です。回答者20人全員が複数回答の設問に答え、次のように選んだとします。

  • 費用が合わない:12人
  • 必要な連携がない:8人
  • 設定する時間がない:6人

回答者数20人を分母にすると、60%、40%、30%です。合計が130%になるのは、同じ人が複数の項目を選べるためです。「複数回答、回答者20人を分母」と併記します。

一方、選ばれた項目の延べ数26件を分母にした割合は、別の指標です。それを「回答者の何%」とは呼べません。選択数の上限を三つから一つへ変えた場合も、同じ設問の回答割合として単純に比較しないようにします。

報告に最低限残したい情報は次の四つです。

  1. 設問の全文と選択肢
  2. 単一回答、複数回答、上限付きのどれか
  3. 分母となる人数と、無回答・対象外の扱い
  4. 集計した時期と、途中で設問を変更したか

空欄は、「どれも当てはまらない」と答えた状態とは分けて記録します。複数回答でも、未回答を全項目の「経験なし」と読み替えないようにしてください。[2]

「すべて選ぶ」と「一項目ずつ答える」も同じではない

複数の経験の有無を調べるときには、一覧からチェックしてもらうほか、各項目に「経験した/経験していない」と答えてもらう方法があります。

Pewは、米国成人のオンライン調査で二つの形式を無作為に割り当て、望ましくない経験について回答の割合が変わったと報告しています。[4] この結果を、そのまま日本のあらゆる顧客アンケートの正解へ一般化することはできませんが、形式を変えると数値も変わり得る点は参考になります。

項目ごとの経験率を重要な判断に使う場合は、一項目ずつ聞く形式も検討します。回答の手間や画面数が増える可能性もあるため、対象者に近い人へ実際に試してもらいましょう。

配布前に、人がどう選んだかを聞く

完成した設問は、対象者に近い実在の人へ見せます。AAPORは、本調査の前に、設問の解釈や答えに至る過程を確かめるプレテストを勧めています。[2]

選択肢の点検では、例えば次のように尋ねられます。

  • 「この言葉を、どのような意味で読みましたか」
  • 「選ぶときに迷った項目はありましたか」
  • 「当てはまるのに選べなかった答えはありましたか」
  • 「『わからない』を選んだのは、どの部分が判断できなかったためですか」

ここで出た一人の意見を、全体の意見分布として扱う必要はありません。まず、答えづらかった理由を具体的に確認し、修正箇所を決めます。回答を受けて詳しく聞く方法は「1対1ヒアリングの深掘り質問」にまとめています。

AIを使って抜けた選択肢の候補を考える場合も、その提案は仮説として残します。AIの生成回答だけでは、実際の対象者がその言葉を理解できるか、どの選択肢を選ぶかを確認したことにはなりません。詳しくは「AIペルソナの注意点」を参照してください。

選択肢の最終チェック

  • 一つ、すべて、上位いくつ、のどれを知りたいか決まっている
  • 金額や回数の境界に、抜けと重なりがない
  • 未経験、中立、わからない、無回答を混同していない
  • 「その他」や排他的な項目の扱いが決まっている
  • 順序に意味のある尺度を、読める順番に並べている
  • 集計の分母と、設問を変えた場合の比較方法を決めている
  • 対象者に近い実在の人で、言葉と回答画面を確認した

質問文の誘導や、一問に二つのことを聞いていないかの見直しは「アンケート質問の作り方」で扱っています。

対象者の決め方から配布・回収・分析までの全体像は「アンケートの取り方」を参照してください。

参考資料

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/ シースリーレーヴ株式会社

Persona AIの提供者として、AIリサーチの使い方と検証方法を紹介します。

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