リサーチ比較読了時間 約6分

アンケートの取り方|目的・対象・配布・回収・分析までの実務手順

アンケートを初めて実施する担当者に向け、意思決定から逆算した設計、対象者の決め方、配布と回収、集計時の確認点を記入例とともに解説します。

Persona AI 運営
•
この記事をシェアする

アンケートはフォームから作り始めると、回答が集まっても「結局、何を決めればよいのか」が残りがちです。最初に調査結果を使って決めることを書き、その判断に必要な集計表から質問を逆算します。総務省統計局も、欲しいデータと集計結果をイメージして調査票を作る方法を示しています。調査票の作成

以下はBtoBサービスの「初回設定が進まない理由」を調べる架空の例です。実際の顧客調査結果ではありません。

1. まず「結果を見て何を決めるか」を一文にする

「満足度を知りたい」だけでは、必要な質問を選べません。たとえば「初回設定の説明を改訂するか、担当者による支援を増やすかを決める」と書きます。次に、どんな結果表があれば判断できるかを描きます。

設計項目 記入例
決めたいこと 初回設定支援の優先箇所を選ぶ
知りたいこと どの段階で、何が理由で止まったか
対象 過去3か月に登録した利用者
主な集計 設定完了の有無 × 止まった段階、段階 × 困った内容
判断の条件 回答者の構成と未回答を確認したうえで、頻出する障害を深掘りする

結果表に使わない属性を「念のため」で増やさないことも大切です。設問が長くなるほど回答者の負担が増え、必要な情報が欠けると判断も難しくなると、統計局は説明しています。調査票の作成

2. 対象者と配布先を決める

「利用者」と一口に言っても、登録直後、継続利用中、離脱後では経験が異なります。先の例なら、過去3か月の登録者に範囲を限定し、初回設定を完了した人、途中で止まった人、未着手の人のいずれにも届く配布先を考えます。完了者だけにメールを送れば、止まった人の事情を取り逃がします。

調査前に記録しておく項目は次の通りです。

  • 対象者の条件と除外条件。例:社内テストアカウントを除く。
  • 配布に使う名簿の基準日と人数。同じ人への重複送信を避ける識別方法。
  • 配布経路と期間。メール、製品内案内など、経路ごとに偏りがあり得ること。
  • 回答の扱い。匿名か記名か、所要時間、利用目的、自由記述に個人情報を書かない案内。

回収目標を決める場合も、任意回答の結果を対象者全員の意見と同一視しないようにします。回答しなかった人の特徴は、回答データだけでは分かりません。

3. 質問と選択肢を集計表から逆算する

「どの段階で止まったか」を集計したいなら、選択肢は手順名に合わせます。「設定中」「少し困った」のような曖昧な区分では次の施策を選びにくくなります。単一選択なら、選択肢ができるだけ重ならず、抜けない形にします。総務省の教材も、単項選択では網羅性と相互排他性を原則としています。選択肢の作成

架空例の設問なら、次のようにします。

質問1:過去3か月に始めた初回設定は、今どの状態ですか。ひとつ選んでください。
「完了した/途中で止めている/まだ着手していない/覚えていない」

「まだ着手していない」人も対象に含めますが、設定中に止まった理由の集計からは分けます。質問と抽出条件が食い違ったら、母集団の説明から直します。

質問2:途中で止めている方へ。最後に進めた段階をひとつ選んでください。
「アカウント作成/データ接続/最初の設定/その他/覚えていない」

この例の手順名は実際の製品に合わせて置き換えます。回答形式、文言、質問順は、調査目的と集計表に合わせて点検します。

4. 少人数で試し、配布して回収状況を記録する

本番前に、対象に近い人へ実際に回答してもらいます。「初回設定」がどこからどこまでか、選択肢に当てはまらない経験がないか、途中で迷う分岐がないかを確かめます。Pew Research Centerは、質問文や形式の影響を確認するための事前テストを重視しています。Writing Survey Questions

配布後は、送信数だけでなく、到達数、回答開始数、完了数、主要設問の無回答数を定義付きで記録します。たとえば「回答率」を報告するときは、分母が送信数か到達数かを明示します。途中で案内文や対象者条件を変えたら日付も残してください。変更前後を同じ条件の結果として扱えなくなるためです。

5. 集計では割合の分母と偏りを見る

設計シートに書いた表を作り、各割合に「回答者何人中」を付けます。完了者だけが多く回答したなら、全利用者の障害順位として結論づけません。自由記述は原文を残したうえで、内容を分類し、複数の解釈があり得る箇所をメモします。少数の印象的な回答を全体の代表とみなさないことが必要です。

最後に報告を三段に分けます。

  1. 観測:誰に聞き、何人が答え、どの選択肢が何人だったか。
  2. 解釈:どの問題がありそうか。回答者の偏りや無回答で説明が変わるか。
  3. 次の確認:改善案を決める前に、どの画面や行動を追加観察するか。

アンケートは意思決定の材料です。結果だけで原因まで確定したことにせず、必要なら実際の利用場面をインタビューで確認します。

関連:アンケート質問の作り方で設問の直し方を確認できます。調査方法を選ぶ前には定性調査と定量調査の違いも参照してください。

参考資料

この記事をシェアする
この記事の制作・提供
PA

Persona AI 運営

/ シースリーレーヴ株式会社

Persona AIの提供者として、AIリサーチの使い方と検証方法を紹介します。

#AIリサーチの活用#調査設計#比較方法

あわせて読みたい記事

すべての記事を見る →
リサーチ比較

アンケート質問の作り方|悪い設問を中立な文言・選択肢に直す例

誘導、曖昧な期間、二つの質問を一文で聞く設問、答えを押し付ける選択肢を、実務で使える形へ修正する手順を解説します。

6分読む
リサーチ比較

定性調査・マーケティングリサーチ会社おすすめ比較|費用・納期・手法の違いと失敗しない選び方【2026年最新】

大手調査会社から定性専門ブティック、最新のAIリサーチまで主要マーケティングリサーチ会社を徹底比較。100万円以上かけるべき調査と数万円でスピーディに検証すべき調査の境界線、発注で失敗しない3大落とし穴と選び方の基準を網羅解説。

12分読む
リサーチ比較

AIペルソナインタビュー徹底比較:ChatGPTプロンプト自作と専用リサーチツールの決定的違い

「ChatGPTに『〇〇のペルソナになって回答して』と指示したが、どこか教科書的で都合の良い回答しか返ってこない」。単発LLMプロンプトの限界と、統計的FACT割当・本音キャリブレーションを備えた専用ツールの技術的差異を徹底検証。

12分読む
自社テーマで回答を確認

まずは3人のAIペルソナ調査で、
自社テーマのAIインタビューを体験しませんか?

3人のAIペルソナを対象に調査し、回答を確認できます。AIによる生成回答であり、実在する顧客への調査ではありません。利用条件は申込画面をご確認ください。

AIによる生成回答
3人のAIペルソナを調査
回答から次の検証項目を整理